きのこってなに?④「きのこは地球の歴史を変えた!?」
・きのこは真菌=カビのなかま!
・きのこは細菌とは全然ちがうよ!ウイルスとはもっとちがうよ!
・きのこは子孫である胞子をばらまくための器官だよ!
・“きのこ”(子実体)はライフサイクルの一部だけ!普段はカビっぽい姿だよ!
・木を分解する能力できのこは地球の歴史を変えた!?
↓詳しくは記事を読んでね。
「きのこは地球の歴史を変えた!?」
さてこれまでの記事で、
・“きのこ”はライフサイクルの一部だけ!普段はカビっぽい姿だよ!
と書きました。
今回は「自然界におけるきのこの役割」について書いてみようと思います。
先に言ってしまいますがきのこは
木材を分解者として分解できるすごい生き物なんです!
分解者は自然に存在するゴミをバラバラにして分解、吸収することで地球をお掃除してくれる存在です。ミミズやダンゴ虫がまず思い浮かぶかもしれませんね。
ではミミズやダンゴ虫みたいな生き物ときのこの違いは何でしょうか・・?
それは・・・・きのこだけが木材を完全に分解できるという点です。
でもシロアリだって木をダメにするやん・・きのこは何が違うの?って思った方!
シロアリは木材を構成する主要成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンのうち、前者2種(セルロースとヘミセルロース)しか分解できません。きのこだけがリグニンも含めた成分を分解できるんです!
なんかすごそうですよね!でもいまいちピンとこない人もおられるかもしれませんので下に地球の歴史を図で示してみました。
46億年前に地球が誕生し、色々な生き物が出現し、絶滅していく中できのこはどの時代に出現したのでしょうか・・?
ヒントは「石炭紀」です。石炭紀とは当時、陸上に大森林が形成されており、多くの石炭を産出する時代です。※石炭は地中に埋没した植物からできます。
ここで問題です。
きのこが出現したのはこの時代よりも「前」でしょうか?「後」でしょうか?
↓
↓
↓
答えは石炭紀よりも「後」です。石炭紀の陸上において存在した大森林において生を全うした樹木は腐りにくいため、地中に埋没し、石炭となりました。しかし、この時代は樹木を分解できるきのこ(正確には白色腐朽菌)の出現によって終焉を迎えました。
つまり「きのこは地球史を変えた!!」といっても過言ではないのです!※
※引用→Dimitrios Floudas, et al. 2012. The Paleozoic origin of enzymatic mechanisms for decay of lignin reconstructed using 31 fungal genomes. Science;336:1715-19
[まとめ]
20万年前に私達、ヒトが出現する遥か昔にはきのこは“地球のお掃除係”として頑張っていたというわけですね。普段何気なく食べてるきのこが実は地球の歴史を変えていたとは・・!!ちょっと不思議な感じしませんか?ちなみにこのリグニンを分解する能力に目を付けた研究者が同じく分解が難しいダイオキシンをきのこによって分解させる研究をしているみたいですよ~
→次の記事きのこってなに?⑤「お掃除係だけじゃない!?きのこの生き様!」
今日はここまで!