現職きのこ研究者が一般の方から生産者、研究者向けに「きのこの話題」を提供するブログです。あと、ランニング・アウトドアのおはなしも! In this blog, mycologist-O provides mushroom topics from the general public to producers and researchers!

きくらげのおはなし③「激化するアラゲキクラゲ生産!鳥取県は生き残れるのか!?」

きくらげのおはなし③「激化するアラゲキクラゲ生産!鳥取県は生き残れるのか!?」

今日の!<これだけ知っていればOK!>
・ アラゲキクラゲ生産急増10年間で約7.7倍に!
・外国産キクラゲの不信感!国内産はどうなの!?
・鳥取県の乾燥アラゲキクラゲ生産量は国内2位に!

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詳しくは記事を読んでね。


さて、前回までに国内のアラゲキクラゲ生産が劇的に増加しており、その理由の一つとして外国からの輸入品に対する不信感があると書きました。

今回は国内生産の一例として鳥取県を挙げ、激化するアラゲキクラゲ生産においてどのように生き残っていくのか?を書いてみようと思います。

現在、アラゲキクラゲ生産には元々きのこをされていた生産者のみならずエネルギーや建築関連業種からの参入もあり活況を呈していますが、同時に群雄割拠の様相ともなっており、個人で参入することは難しくなりつつあります。


[生産グループの構築]

鳥取県では一般財団法人日本きのこセンターが2015年からアラゲキクラゲの産地化を推進しており、生産グループを構築しています。

しかし、ただ買い取って売るだけでは激化する国内市場において生き残ることは難しいことから生産グループ内における品質の向上のため、日本きのこセンターでは以下のようなサービスを提供しています。

・菌床の生産ネットワーク構築
・種菌提供
・栽培ノウハウ提供
・品質管理(異物混入防止など)

これらの提供により、鳥取県内のアラゲキクラゲの品質が向上するだけでなく、生産者間の協力関係が形成されています。


[新たな品種の開発]

何と言っても生産の要となるのがアラゲキクラゲの栽培品種です。きのこも動物や植物同様、品種があるのですが日本きのこセンターでは新たなアラゲキクラゲ品種「菌興AP1号」を開発しました。

従来のアラゲキクラゲ栽培品種では以下のような問題が起こりがちでした。

1.収量が思ったほど取れない。
2.環境によって色が薄くなる。
3.気温が下がる10月以降に収量が急減する(低温感受性)。

私が「菌興AP1号」の開発者なので手前味噌のような感じになってしまいますが上記の低収量、薄色化、低温感受性をクリアした画期的な品種となっており、既に鳥取県内の複数社において本品種の生産が進んでいます。


左:アラゲキクラゲ新品種「菌興AP1号」、右:従来品種
右の従来品種に比べ、色が濃いことが分かります。

詳細は[アラゲキクラゲ栽培品種「菌興AP1号」のご紹介]まで~


[有機栽培]

日本きのこセンターをはじめとする生産グループでは令和元年に有機認証を取得しています。これにより鳥取県産アラゲキクラゲの付加価値が向上し、競争力が高まることが期待できます。

↓こちらで日本きのこセンターも含めた鳥取県内の有機認証状況が見れます。

有機農産物等の認証状況/とりネット/鳥取県公式サイト (tottori.lg.jp)



このように鳥取県では激化する国内アラゲキクラゲ市場において生き残りをかけて各種施策を打ち出しており、2017年から鳥取県の乾燥キクラゲ生産量は国内2位となっています!

引用→平成29年特用林産基礎資料特用林産物生産統計調査:農林水産省 (maff.go.jp)

しかし、さらに今後の安定継続・拡大を目指すためにはもう一歩先を見据えることが重要と思います。それが「SDGs」です。


[SDGs

SDGs(Sustainable Development Goals)というのは国連が定めた17項目からなる国際目標です。詳細はこのブログの「きのことSDGs」カテゴリーの記事に書かせてもらいましたが要は「誰一人取り残さない」をキーワードに今後も継続するあらゆる開発を全ての人が享受できる、より良い世界を目指す世界が取り組む目標となっています。

下のイラストはご存知の方も多いと思います。

アラゲキクラゲに限らずきのこの栽培では国内産の材料を使うことで国内の山林の維持に貢献することができます。

そのため、上記のイラストの中では次の5項目に少なくとも当てはまることになります。

11住み続けられるまちづくりを
12つくる責任つかう責任
13気候変動に具体的な対策を
14海の豊かさも守ろう
15陸の豊かさも守ろう

きのこが世界の目標に貢献できるなんて素敵だと思いませんか?

詳細は「きのことSDGs」カテゴリーの記事へ

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さて、今回は「激化するアラゲキクラゲ生産!鳥取県は生き残れるのか!?」という内容で書かせてもらいました。アラゲキクラゲ生産は競争が激しくなりつつありますが、他のきのこと比べればまだまだ発展途上です。そのため、生産量が一気に増えたことで様々な問題が露呈してきました。今後はこれらの問題について書いていこうと思います。

→次の記事きくらげのおはなし④「課題を克服し、国内生産基盤を強化できるのか!?」

今日はここまで!

今日の!<これだけ知っていればOK!>
アラゲキクラゲ生産急増10年間で約7.7倍に!
・外国産キクラゲの不信感!国内産はどうなの!?
・鳥取県の乾燥アラゲキクラゲ生産量は国内2位に!

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