(一財)日本きのこセンター菌蕈研究所公認記事
アラゲキクラゲを含めたキクラゲ類における国内流通量の90%近くは実は外国産です。しかし、近年の食の安全に対する意識の高まりからキクラゲ類においても国内産が求められています。また、最近では外国からの輸入菌床を用いて栽培されたものが国内産として販売されているケースも多く、出自が明らかな国内産菌床を用いて栽培されたアラゲキクラゲが求められています。
ここでは私が育種(品種改良)に携わったアラゲキクラゲ栽培品種「菌興AP1号」(出願番号34132)についてご紹介します。
アラゲキクラゲを栽培したことのある生産者の皆さんは既存品種に対して以下のようなご不満をお持ちではないでしょうか?
1.虫や病気の発生で思ったほど収量が取れない。
2.環境によって色が薄くなる。
3.気温が下がる10月以降に収量が急減する(低温感受性)。
どれもアラゲキクラゲの栽培における大きな問題点だと思います。
このようなご不満にお答えするのが「菌興AP1号」です。
菌興AP1号はこれまでの品種にありがちだった
低収量、薄色化、低温感受性をクリアした画期的な品種となります。
左:菌興AP1号
右:既存品種
写真(右)のようにアラゲキクラゲの栽培においては色が薄くなるケースが散見されますが、菌興AP1号は濃褐色で色が安定しており、既存品種でありがちな色が薄くなる現象がありません。既に複数社様において生産が進んでおり、どのお客様からも上記の悩みが解消されたと喜びの声を頂いております。
私ども(一財)日本きのこセンターではこのような濃褐色のアラゲキクラゲと共に白色栽培品種についても取り扱っております(白色栽培品種「菌興92号」ご紹介ページ)。また、これらアラゲキクラゲ種菌の提供とともに安全安心な国内産菌床(菌興AP1号、菌興92号)の手配も行っておりますので菌床製造設備を持たない生産者の皆様もビニールハウス等の簡易施設があればすぐにでもアラゲキクラゲ栽培を行うことができます。
アラゲキクラゲ栽培にご興味をお持ちの方は下記まで
一般財団法人日本きのこセンター菌蕈研究所
Address: 鳥取県鳥取市古郡家211
TeL: 0857-51-8111