兵庫県立小野高等学校、科学探究科にて講義実施!
兵庫県立小野高等学校にスーパーサイエンスハイスクール事業の理数セミナー講師としてお招きいただきましたのでご報告です!今回で6回目となる今年は去年のようなオンラインではなく、直接お伺いすることができました。
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やっぱりオンラインじゃなくて対面は良いですね!
生徒さんの反応がオンラインだと今いちよく分からんのですが対面だとその反応からどこが面白くて好印象だったか、どこが退屈だったかよく分かります。それを踏まえて来年の講義(果たしてまたお招きいただけるのか!?)や他の講演会も改善していけることでしょう。
さて、今回のタイトルは「きのことサステナビリティ」!!!
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いやいや、去年の副題は「きのこと持続可能性~きのこが寄り添う人・社会・環境~」でしたが今年は「きのことサステナビリティ~生態から産業の現状まで~」です。
今年はタイトルこそ似てますが自然環境の持続可能性に寄与する「きのこ」の正体から国内きのこ産業、そして世界のきのこ産業までサステナビリティに関連する現実・課題を網羅する内容としました。特に後半は昨年のスライドを全面的に作り直しました!
今回も3章編成でお話ししました。第1章は「きのこの正体と生態」!
ここでは身近な食材であるきのこのその生物としての正体を知ってもらい、いかに自然環境において重要な存在であるかを確認する章でした。きのこが地球の歴史を変えた(!)
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皆さんが普段食べるきのこはエノキタケ、ブナシメジ、シイタケなど主要きのこが含まれる腐生菌のうち、特に白色腐朽菌が相当します。
第2章では「国内きのこ産業の現実と課題」をご紹介しました。
いつでもスーパーで見かけるきのこですがその生産量は10年間くらい停滞状態にあります。
しかしその中でもアラゲキクラゲだけが急増しています。その増加率はなんと10年間で5倍、15年間では34倍にも及びます。ただし、このキクラゲも含めた国内きのこ産業にはサステナビリティと社会ニーズの狭間で揺れ動く課題があります。サステナビリティの観点では国内森林資源や農業副産物の活用が重要なのですが、社会ニーズとしては安いものを求める本音があり、コストカットや収量増のため輸入原材料を使う例が多いという現実です。この詳細については「きのことSDGsのおはなし③」で書いています。興味をお持ちの方は→こちらへ
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続く第3章では「世界のきのこ産業の現状と課題」をお話ししました。きのこ生産は計画的な森林運営による産物や農業副産物を活用することから自然環境に対して低負担な農林業(循環型農林業=Circular agriculture)のモデルともいえますが一方で栽培過程において発生するいくつかの問題があり、それらの解決こそがきのこ産業の今後の継続にも直結します。この章ではきのこ(子実体)から散布される莫大な数の胞子による生産者の呼吸器疾患から栽培後に発生するゴミ問題までこれまでの国内産業に対するものとは異なる目線でのお話となりました。
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もちろん今回も生きのこを持参しました。でもあまり珍しいものではなく、シイタケやエリンギ、アラゲキクラゲ。これらのきのこは皆さんにもお馴染みのきのこだけれども実際に栽培しているところはみたことない方が多かったのではないでしょうか。みんな興味津々で、そして積極的で今年の小野高校科学探究科の1年生も豊作のようです。
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生徒の皆さんには広い視野で物事をみられるようになったもらいたいと思っていますので今回3章に渡り、きのこについて生物学的側面だけでなく、社会科学的側面からもお話をしました。もしかしたら予想(期待?)していた内容では一部なかったかもしれませんがこの講義が少しでも皆さんの視野を広げる機会になっていれば光栄です。