きのことSDGsのおはなし①「きのこ × SDGs」
・きのこ栽培はSDGsにおける5項目に関わる持続可能な環境保全型農林業!
↓詳しくは記事を読んでね。
皆さんは「SDGs」という言葉をご存知でしょうか?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは国連が定めた持続可能な開発のための17の項目からなる国際目標です。
17の項目(世界的目標)の下にはさらに169の達成基準、232の指標があり、「誰一人取り残さない」をキーワードに今後も継続するあらゆる開発を全ての人が享受できる、より良い世界を目指しています。
詳しいことは知らなくても下の絵は見たことあるかもしれませんね。
「きのこと何の関係があるの?」
そう思われる方も多いかもしれません。
でもきのこって地球のお掃除屋さん(きのこってなに④参照)ですよね!
既にその存在自体が地球の持続可能な生態系の維持に役立っていると言えます(こう言ってしまえば生態系内の全ての生物が当てはまってしまいますが)。
まあ難しいことはおいといてきのこについて考えてみましょう。
きのこ栽培の材料とはなんでしょうか?
原木栽培なら原木(丸太)、菌床栽培ならオガ粉(オガクズ)ですよね。
これら樹木から採れる材料はどんな種類でも良いわけではなく、広葉樹や針葉樹などある程度は特定の種類でなければなりません。
きのこの材料を常に供給するためには森や山を管理する必要があります。
いえいえ、森や山には色々な機能があります!
しっかり管理しないと次のような問題が起こることになります!!
・土砂流出や土砂崩れ
・渇水
・温暖化促進
でもきのこ栽培の材料としてしっかり管理すると・・・
・樹木がしっかりと根を張ることで土砂流出、土砂崩れを防止します!
・落ち葉などの有機物に富んだ土壌は山の貯水機能を高め、渇水を防ぐことができます!
・山から流れ出る有機物は川や海の豊かさにも良い影響を与えます!
・健全な状態に管理された森林では樹木がCO2吸収源となり、温暖化を抑制します!
このようにきのこ栽培において国内で採れる各種材料(原木やオガ粉)を用いることは山を維持し、それに伴う様々な恩恵を生み出すことに繋がっています。
ではこれがSDGsとどのように関係しているかもう一度17の世界的目標を見てみましょう!
このうちのどれがきのこ栽培に関わるのでしょうか?
「11住み続けられるまちづくりを」や「12つくる責任つかう責任」「13気候変動に具体的な対策を」「15陸の豊かさも守ろう」は少なくとも当てはまりそうです。また山から海への有機物供給を考えれば「14海の豊かさを守ろう」も該当しますね。追求すればこれ以外にも様々な目標に貢献しそうですね。
[まとめ]
いかがでしたでしょうか。きのこがSDGsという世界的な目標とつながっていることは意外であると同時に納得していただける面もあったかと思います。そしてきのこ栽培が日本だけでなく、世界にもつながる、環境を守りながら今後も続けることができる、持続可能な農林業であることが分かって頂けたかと思います。これを機にきのこだけでなく、読者の皆さんもご興味のあること(何でも良いと思います。趣味に関すること、自分の住む地域や自分のお仕事など)とSDGsとの関連を考えてみてはいかがでしょうか?
次回はさらにきのこ栽培とSDGsの関連を追及するとともにきのこ栽培に関する研究を行っている私が貢献できるSDGsとは何か?について書いてみたいと思います。
→次の記事きのことSDGsのおはなし②「きのこ研究者Oが見据えるSDGsとは?」
今日はここまで!
・きのこ栽培はSDGsにおける5項目に関わる持続可能な環境保全型農林業!