鉱物について、きのこの研究について徒然と書いていきます。

パイライト(Pyrite/黄鉄鉱)①

黄鉄鉱はおそらく、特徴的な結晶形態、金属質な輝きが美しく、そして安価に入手できることから蛍石や水晶に次いで多くの鉱物愛好家が最初に手に取り、鉱物としての美しさに魅了される入門のような鉱物ではないでしょうか。かくいう私も幼少のみぎり、(おそらく)スペイン産の立方体の結晶を手に取り、どうしたらこのような四角い結晶ができるのか、など難しいことは考えずにただ、純粋に美しく思っていました。

後年になってミネラルコレクターとして再出発した際には立方体のパイライトは一般的とはいえ、ぜったいではなく、サッカーボールのような五角十二面体やガーネットのような凧形二十四面体になるケースもあると知りましたが、いくつかの標本を集めましたがよくわからない形態のものもあり、そしてアンモナイトやカタツムリのような殻を置換するケースもあり、パイライトとは非常に奥が深い鉱物であることを知るのでした。

五角十二面体(?)のパイライト。スペインでもキューブ以外のパイライトは産出するらしい。。Ambas Aguas, Muro de Aguas, La Rioja, Spain

パイライト化したカタツムリの殻/Pyritized Gastropod。イギリスのDevon州からDorset州までの153キロに渡って伸びるジュラシックコーストと呼ばれる海岸であり、イギリスの数少ない世界遺産として「ドーセットと東デヴォンの海岸」の名で登録されている。この海岸では中生代にあたる三畳紀、ジュラ紀、白亜紀にできた地層がみられる。本品はジュラ紀前期、1億9500万年程度前に生息していた腹足類の殻が黄鉄鉱化したもの。軽く磨かれており、有機的な色と輝きを放つ。1cmほどの小さなもの。

このように誰しも手に取る有名な鉱物であるにもかかわらず「愚者の金」(fool’s gold)などという不名誉な愛称を付けられているのはなぜだろうとずっと思っていました。どうやったら黄鉄鉱と黄金と間違えるのだろうと。黄鉄鉱は金色というより銀色に近い色彩を持ち、対して金の延べ棒も自然金(Native Gold)がもつ金色ももっと黄色みがかっており、柔らかく特別な輝きです。

ナゲット状の自然金標本。その輝きはパイライトとは違うように見えるが。。

最近はYahooのフリマサイトでブルガリアのサンプルをたくさん扱うようになりましたがその中にはパイライト結晶表面に酸化被膜を形成し、標本によって褐色や赤色、黄色から虹色まで多彩な変化をすることを知りました。もしかするとこの酸化というプロセスによって黄色みが増し、それを見た人が金と間違えたことが所以かもしれませんね。

非常に良好なレインボー系パイライトの球状形態。Androvo mine, Erma Reka, Zlatograd Municipality, Smolyan Province, Bulgaria

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